「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.33

[24本限定/低温7年貯蔵金賞酒]
あぶくま 平成21年度醸造 大吟醸無濾過原酒 720ml

攻守ともにイチロー越え?!
低温7年、金の中の金


 


今回入荷した商品は
平成20年度醸造金賞受賞酒で、
約9年半低温貯蔵した大吟醸酒となります。
当記事の商品と同一商品ではありませんので
予めご了承ください。



「あぶくま」という武骨な名を冠した酒がある。

「あぶくま」は漢字で「阿武隈」と書く。
大隈重信でも、猪熊滋悟郎(じごろう)でもなく、
当地を流れる阿武隈川や、阿武隈高地という名に
見られるように地名である。

特に、国の天然記念物に指定されている鍾乳洞
「あぶくま洞」は有名。
スケールでかくて圧巻だし、夏は涼しくて最高。
天然のクーラーが効いてる。

そんな、8000万年という歳月が造り出した
大自然の造形作品を内包する福島県田村市に
「あぶくま」の蔵元・玄葉本店(げんばほんてん)はある。

蔵元の名前もまた厳格で近寄りがたい雰囲気を
醸し出しているが、醸す酒は別。



[24本限定/低温7年貯蔵金賞酒]
あぶくま 平成21年度醸造 大吟醸無濾過原酒 720ml


平成20年度醸造 金賞酒はこちら   

あぶくまを醸す玄葉本店は年間製造量が
300石強の小さな酒蔵。1石=180Lと換算すると、
一升瓶で3万本を超える程度である。

(ちなみにかの有名な白鶴酒造さんの石高は
約30万石とか。単純に計算すると1000倍だ)

そのため、商品出荷先の大部分は
地元・田村市がほとんどで、超地域限定の
流通だった。県外民としてはいわば幻の酒。




現在はより酒質も上がり、
そのハイグレードな酒を県外のオイラたちも
特約店から購入し、
少しずつ嗜むことができるようになった。

しかし、地元が主戦場だった当時から
酒造りに一切の妥協はない。

その証明がこの酒。
2010(平成22)年、つまり今から7年前の
全国新酒鑑評会において栄えある金賞を受賞した
お酒であり、今日の晩酌酒である。




なぜ金賞を獲得できたのか、
それは、現・蔵元 兼 製造責任者の玄葉祐次郎氏が
ただ者ではないからだ。

祐次郎氏は以前、敏腕商社マンとして
順風満帆なサラリーマン人生を歩んでいたが、
先代である父親が廃業を決断すると
実家に戻ることを決意。家業を継いだ。

企業戦士として培った闘争心と
伝統を守らんと身を捧げる覚悟が同居する
熱きハートの持ち主だ。

蔵に戻るとゼロから酒造りの勉強を始め、
4年目の2005(平成17)年、
生き残りのために杜氏制を廃止し、
蔵元自らが製造責任者となって酒造りをスタート。




それからというもの、経営者でありながら
12回の酒造りを経験し、全国新酒鑑評会に出品。
そのうち、9回が金賞という栄誉に輝く。

あのイチローすら打率4割はいまだかつて達成していない。
そんな中、強打者「あぶくま」の打率は9/12本だから
7割5分。まさしく不世出のスラッガーである。

さらに特筆すべきは、
今夜紹介するお酒が、7年前に金賞を受賞しながらも、
蔵元で7年間も貯蔵されていたという事実。

例えるなら、ゴールデングラブ賞を何度も受賞し、
引く手あまたの名選手だったにもかかわらず、
メジャーからの誘いを断り、
チーム(蔵)残留を決意したというわけであります。




こいつぁあだやおろそかに飲めんぞ!
広島カープの男闘呼・黒田にも通ずる精神が底流にある。
さて、心を無にして一献。

おほーーー! 
これが低温0℃で7年もの冬眠から目覚めた
超エリートのネクストレヴェルってやつか。
角が取れてアルコール感がなく滑らか。
ナイス&スムゥーーース♪

熟成によって少しトロミすら感じる。
が、熟成香と呼ばれる香りは皆無に等しい。
冷やしているから一層落ち着いてもいる。

さすがはイチロー越えのあぶくま金賞酒。
香りと甘味のバランスが究極にゼツのミョーで、絶妙!

オイラにとっちゃ、
金賞の中の金メダルであるからして、
もはや殿堂入りでOK。賞レースに出馬不要だ。




冷やした状態で晩酌をスタートしてじっくり。
飲温上がった後半戦の常温ラウンドでも、
その飲みやすさは向かうところ敵無し、と書いて無敵。

風味はむしろ活性化し、あまねく味わい成分の銀河が顕現。
この守備範囲、まさにワールドクラス……。

今宵ついに拝めた低温7年貯蔵の金賞酒は、
金の中の金、つまり、
「ゴールド・イン・ザ・ゴールド・ウマックス!」




玄葉祐次郎さん曰く、このお酒は、
「もう一杯飲みたい、バランスの良い、品の良い酒に
なっていると思います」とのこと。

まさしくおっしゃる通り。
攻守において万能。穴なし。弱点なしで
もう一杯も二杯も三杯も飲みたいっ!

今日はあぶくま単体で楽しんだけど、
実は食中酒としても本領を発揮してくれる究極の一本。

「だから言ったろ。ワールドクラスの守備範囲だって」

今夜あなたはきっと、あぶくまと酒肴の夢を見る。
ほいじゃーね!

 


世界のイチロー越え。
打率7割5分を誇るクラフトマンから
低温7年貯蔵の金賞酒が到着。

数に限りがあります。
お早目にご注文ください。


 

 

日土志が飲んでいるお酒

[24本限定/低温7年貯蔵金賞酒]あぶくま 平成21年度醸造 大吟醸無濾過原酒 720ml

平成20年度醸造 金賞酒はこちら

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)

 

38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

ページトップへ