「水曜に取り寄せたお酒で土日(週末)を楽しむ」がモットー(志向)。
毎日をゆるく生きる水取 日土志の緩ライフを毎週ゆる〜くご紹介。

さて、今週はどんな緩ライフを過ごしているでしょうか……

今週の晩酌酒 vol.78

満寿泉 MASUIZUMI R 純米大吟醸 仕込み5号 720ml

シャンパン酵母で醸す!
日本酒の可能性を探求する酒蔵の挑戦




(アール)


「R」であーる。
冒頭からつまらんダジャレ、
あいすまんことにて候。

「R」と聞いて、
オイラ世代が真っ先に思いつくのは
週刊少年サンデーで連載していた漫画
『究極超人あ〜る』(ゆうきまさみ作/小学館)
であ〜る(1985年〜1987年に連載)。

なぁーーつかすぃー!
と叫ぶ御仁も多くいらっしゃると存じ上げる。
いやー30年も経つわけで確かにお懐かしい。
ちなみに、ゆうき先生はあの
『機動警察パトレイバー』の作者でもある。

話反れました。本線に戻ります。
ひと口に「R」と言っても今回はただの「R」じゃねぃ。
「R5(アールファイブ)」 だっぺよ!

ジャクソン5でも
KAI FIVEでも
クール・ファイブでも
ゴーグルファイブでもねぇ。
かと言って、
秋田の杜氏集団「NEXT FIVE」でもねぇ。
「R5(アールファイブ)」 だっぺよー!



シャンパン酵母/満寿泉 MASUIZUMI R 純米大吟醸 仕込み5号 720ml

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↑アレ?! 「R5」じゃなくて「R」じゃん!
って思った貴方、大霊界!
じゃなくて大正解!
正式名称は「R」であって「R5」ではない。
じゃあ何でそんな呼び方してんだ?! 日土志!

あのね、ラベルの「R」の右上に
「5」と数字が打ってあるの分かりる?
この数字は仕込んだタンクの番号。
つまり「5号タンク」のお酒ってこと。

そのタンクから汲んで瓶詰めしたら、
それでおしまいなんだよ?!
ひっくり返そうが、逆立ちしようがもう無いの。
だから「R」は「R」でも、自分なりの愛称で
「R5(アールファイブ)」って呼んじゃう
オイラの可憐なキモチ分かってくれりる?




さて、気を取り直して……、
満寿泉といえば、「vol.67」でもご登場。
その時は「満寿泉 全麹」を紹介しまちた。

通常、清酒は使用米全体の2割ほどを
麹(米麹)に製麹(セイキク)して
仕込むわけだけれど、「全麹」はなんと
残りの8割の蒸米も全て麹にして仕込む
という途方もないお酒でしたね。
しかも、
長期熟成(14年)のコンボ技でキメてきた。

今回もまた、世界を股に掛ける満寿泉、
醸す桝田酒造店がこの「R」を引っ提げ、
日本酒ワールドに新風を
吹越満!吹石一恵!
じゃなくて、新風を吹き込む。

と、意気込んでみたものの実は昨年、
8種類もの「R」が現世に降臨済み。
フランスから取り寄せた酵母を使い
麹米⇔掛米を替えて醸すバージョンなど
日本酒の可能性を探る
一連の作品
として、
国内外で話題を呼んだ。

ちろもん、海外を見据えた「R」一文字と
モダーンなラベルのインパクトも含め、ねー。
だけれど、今年の「R」もその
フロンティア・スピリットに陰りはない。




今回の「R」もフランスから取り寄せた
シャンパン酵母
を使って醸していること、それから、
精米歩合50% の純米大吟醸
という点は昨年に引き続き同じだが、
チャレンジ酒である。当然、前回とは異なる点を持つ。

昨年の「R」シリーズは生酒であったが、
今回は火を入れている。
平成29年度醸造のお酒に 火入れ、
瓶貯蔵で約一年寝かせている のだ。
また、酒米には兵庫県産の山田錦を
贅沢にも全量使用している。

このように造りの中で、合わせるところは合わせ、
スポットを当てたい部分だけ少しずつ変える。
つまり、オイラが飲んで、うめぇーーー!
って大口開けて感動している間も、
データ採取に余念がないってことだわな……。
ズルい! というか
実に頼もしい!

んむ。それを悟ったところで、はい、ツマミ!

ちなみにシャンパン酵母仕込みだからといって、
シャンパンのような 泡酒ではない。
スティルタイプのお酒だから
シュワシュワしてない気を付けて。



蟹と野菜のゼリー寄せ和風テリーヌ

今日は甲斐甲斐しくも棒寒天を水で戻し、
カニさんのほぐし身とニンジン、きゅうり、
マッシュルームをゼリー寄せにしたテリーヌ。
夏っぽくてええでしょ。
味付けはコンソメではなく、
ポン酢とかつお節の出汁を利かせた和風仕立て。

では、早速頂こうよ。
「R」の造りの公式が果たしてどんな効果を生んだのか、
はたまた生んでいないのか。




シャンパン酵母だもん、
今日はリーデルのワイングラスを
棚奥から引っ張り出し、
それもシャルドネ用グラスに注ぐ。
シャンパーニュ地方の白と言えば
やはり一番はシャルドネであろうから
当然の選択じゃないかしら。
と思ったら、先日割ってしまったのだった。
悲しす。選手交代! ピノ・ノワール選手!

注ぐとクリスタルのように
くっきりと透明感のある外観。
まるで黄昏を背負うように、それこそ
薄っすらとシャンパンゴールドをまとうか。
はは、詩人じみた失敬。ランボー。

スワリングして香りを確かめる。
酸味を伴って立ち昇るのは、
白麹で醸した焼酎や日本酒のようなトーン。
決して甘やかではない。
シンと張りつめた早朝の空気感。
朝モヤがかかるマルヌ川。
船が一艘、モヤから音もなく出てくる様。




ひと口、まず甘味が来るが、
アロマの印象に沿うかの如く
強い甘味ではなく健やかな佇まい。

口中に味わいが広がると、
通常の日本酒では得られない強い酸味を感じ、
その酸味に付随してやってくるのは、
ワイン・シャンパンが持ち合わせる
西洋酒独特のニュアンス。果実味。気品。

最後に鼻腔を抜ける香りも
フドウを思わせる果実様のものや
白玉団子や上新粉系の吟醸香、
杏仁豆腐、発酵バターのような乳製品の香り、
梅、セルフィーユ、ローリエといった
爽やかな植物の香りも多分に内包していて
複雑性豊か選手。

実に不思議。
実に興味深い。
これって本当に
日本酒〜〜?!

知るほどになお深遠な醸しの世界!

シャンパン酵母で醸すとこうなるのか。
でもって、山田錦100% 以外の酒米で
醸した「R」があったら、
ぜひ飲み比べてみたかったぜよ。
そこだけ残念賞。




とはいえ、味に関しては太鼓判。
すんごくスッキリしていて
飲み疲れしない。杯を重ねる程に旨い。
飲み進めると少しずつ奥に秘められた
心地良い甘味をゆらゆらと感じ取れ、
あーーーー美味しい。って成就’N。

そうそう、旨いっていうか
女子が言う“美味しくて幸せ〜”の感じ笑
しみじみ感動。ウルルン滞在記。

寒天で固めた「蟹と野菜のテリーヌ」と
合わせてみると、やっぱり日本酒の底力かな。
ともすれば、ワインだと魚介臭さを
助長することもあるけれど、「R」でやると、
カニのいい風味だけ引き立ててくれるんだぜ。
日本酒だから和出汁との相性は言わずもがな。
箸が、じゃなくてナイフとフォークが止まらんよ。
グラスも上に同じ。

今日は、世界に向けて日本酒文化を発信し、
その先頭を
Run し続け、
Real
Revolution
Raise する
Rising Sun ことMASUIZUMIの
究極超酒“R”
朝までぶち上げちゃうので あ〜るウマックス!




最後に、名前の由来をば。
ずばり「R」とは、
四代目蔵元・桝田 隆一郎 さんの
頭文字(イニシャル)「R」であーる。

なるほど、全世界に向けて「満寿泉」を、
というか、日本酒文化そのものを
しっかりレペゼンしてるわけだな。
自身の名を冠し、責任を背負っていくという
意思表明と拙者受け取った、押忍!
スタイリッシュなデザインの内側には
熱い血が通っているのだ。
かっけーっス!

だからやっぱ今、
飽くなきチャレンジ中の今
飲まねばって思うじゃん?!
5号タンクで育まれた「R」のメッセージ、
貴方ならどう読み取る?
ぜひ試してみておくれ。




ほしたらばー!




本場フランスのシャンパン酵母で醸した
珍しい日本酒です。
(発泡タイプではありません)
(兵庫県産山田錦100%使用)

昨今の日本酒が追い求めてきた
華やかさとは一線を画す香り。
穏やかでありながら、
ワインやシャンパンを感じさせる酸と果実味。
火入れ後、一年瓶貯蔵した奥ゆかしくも
落ち着きのあるボディに舌も心も魅せられます。
ラベルには5号タンクを意味する数字が
「R」の右上に小さく銘打ってあり、
小規模仕込みの希少性と
トレーサブルなところも心くすぐられます。

日本酒の可能性を探る、
今しか飲めないチャレンジ酒……
性は「MASUIZUMI」
名は「R」だ。


数に限りがあります。
お早目にご注文ください。





日土志が飲んでいるお酒

シャンパン酵母/満寿泉 MASUIZUMI R 純米大吟醸 仕込み5号 720ml

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今週のつまみ

<蟹と野菜のゼリー寄せ和風テリーヌ>
冷たい前菜で涼。ゼリーを突き崩しながら食べる楽しさ◎ あ、フォークの置き方、裏表逆だ



東急ストア 不動前店
 

プロフィール

水取 日土志
(みずとり ひとし)


38歳(男性・独身)。西小山在住。
近所のかがた屋酒店でお酒を買って晩酌するのが一番の楽しみ。
出世するつもりは毛頭なく、職場でもお酒のことばかり考えている。
最近、ウンチクが過ぎて部下にウザがられていることを自覚したのか、
酒屋で仕入れた情報は、もっぱら猫か、かがた屋の新人にだけ話している。
西洋かぶれの一面もある。外見からは想像できないくらいチャーミング。

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